地熱発電
GEOTHERMAL POWER SECTION
地海に眠る秘めたるエネルギーを解放する。
地中深く、誰も見ぬ熱水の海から、最高温度の蒸気を導く。
松川地熱発電所 [更新工事中](岩手県八幡平市)

1966年、国内初の地熱発電所が
岩手県松川温泉地区に稼働

火山マグマの熱を国産エネルギーとして活かし、電力の供給源とする。
クリーンで安定した電源として電源多様化の一翼を担い、地熱発電は着実に開発がすすめられてきました。

上の岱蒸気基地
上の岱地熱発電所(認可出力28,800kW)に供給(秋田県湯沢市)

地熱エネルギーの最前線

日本の地熱発電所は、ほとんどが東北と九州の火山帯に立地しています。現在全国に18地点ある地熱発電所のうち7地点が東北に集まり、全出力の50%を占めています。中でも松川地熱は、国内で唯一蒸気だけが噴出する「蒸気卓越型」と呼ばれる発電所で、シンプルな構造でより経済的な発電が可能です。
私たちはこの東北の背骨であり火山フロントである奥羽山脈の東と西に、地熱発電の設備を展開してきました。
日本最初の地熱発電所として50年の歴史を持つ、松川地熱発電所。そして葛根田と上の岱のふたつの蒸気基地からは、それぞれ東北電力葛根田地熱発電所と上の岱地熱発電所に蒸気の供給を行っています。

発電所、蒸気基地の状況を常時監視。

環境への配慮と地域への貢献

東北の火山帯には、温泉など火山の恵みを活かした暮らしと文化が営まれています。地熱発電とそれを支える蒸気基地は、これらの環境に細やかな配慮を施しています。
上の岱蒸気基地では、施設敷地内から斜めに蒸気の生産井を掘り、国定公園の自然環境に影響を与えず、蒸気の確保ができる よう配慮しています。
また、松川地熱発電所では、蒸気を使って温水を作り、地元の温水供給会社を通じて地元の温泉郷や農業組合に送られ、宿泊施設の給湯やハウス栽培の暖房に使われています。
もとより気候の変化等にあまり左右されない安定特性を持つ地熱発電は、持続可能なクリーン電源として付加価値が高まっています。

地熱発電のしくみ

地熱発電所で、火力発電所のボイラーにあたるのが地熱貯留層(マグマによって熱せられた高温・高圧の地下水が溜まっている層)です。
そこに坑井と呼ばれる井戸(生産井)を掘り、地熱流体(マグマによって熱せられ、高いエネルギーを得た高温・高圧の熱水、蒸気などのこと)を取り出し、気水分離器で蒸気と熱水に分離します。蒸気はタービンを回して発電し、熱水は還元井を通して再び地中深くに戻されます。
仕事を終えた蒸気はタービン出口の復水器で冷却され、凝縮して圧力が急減し、タービンを回す蒸気の効率を高めます。
凝縮して復水器に溜まった温水は、冷却塔を通りさらに温度が下げられ、冷却水として蒸気の凝縮に再利用されます。


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