駒込発電所
KOMAGOME PLANT
歴史が刻まれた森で静かにたたずむ発電所

水を大切に還すしくみと、技術を守り、受け継ぐこころ

発電所の歩み

駒込発電所は、北八甲田連峰東部に広がる火口湖に相当する「田代平」に源を発し、堤川水系駒込川の中流部から下流部に位置しています。青森湾の河口から約12km上流に、「重力式越流型コンクリート造り」の取水堰堤を築造し、右岸側に設けた取水口より最大8.15㎥/sを取水、3,066mのトンネルを経て水圧管路に導き、落差60.60mを得て最大出力4,000kWを発電、駒込川に放流しています。発生電力は東北電力の送電線を通じ同社に供給しています。

駒込発電所の特徴

導水路トンネルの掘削には、トンネルボーリングマシーンTBM(TunnelBoringMachine)を採用。TBM前面のカッターヘッドを回転させ、岩盤にローラーカッターを押し付け圧砕しながら掘削する「トンネル掘削機械」の最初の本格導入は、本発電所からです。このTBMによる掘削を行うことにより、トンネル施工の省力化による安全性・作業環境の向上、コスト低減を図りました。また、使用する駒込川の河川水は強酸性のため、水圧管・余水管には強化プラスチック管(FRP管)、トンネルの覆工には、ポリマー含浸コンクリート板(PIC)及びポリマーセメントコンクリートなどの新技術を採用しています。水車は経済的に優れている「横軸二輪単流渦巻両掛フランシス」で、2016年7月には水車軸受冷却装置を改良。軸受ごとに潤滑油を空冷式油冷却器で冷却する自蔵化方式としたことで、油冷却水が不要となり油流失の危惧を減少、安定供給に向けた工事を実施しました。