大越発電所
OKOSHI PLANT
夏でも雪渓の
霊峰月山の懐にある発電所

希少、横軸二輪水車が回る発電所

発電所の歩み

1965年代後半から1975年代にかけて先進国を揺さぶった石油危機を契機に、国内でも石油代替エネルギーとしての水力発電の開発の重要性が再認識され、国の中小水力開発費補助金制度等が整備される状況となりました。こうした機運を受けて当社は1978年7月、山形県西川町大越地点について、東北電力と共同で現地調査を行い有望地点との結論を得ました。
この翌年1979年には山形県、地元西川町に対し開発計画の説明を開始し、さらなる精密な調査、測量、設計を重ね1980年6月に建設を決定。並行して関係省庁、漁業協同組合、用地地権者等と折衝を進め、1981年半ばには関係者の基本的合意を得ました。1981年7月、地点近傍に建設所を設置、同年10月22日、建設大臣の特定水利使用許可、29日、仙台通商産業局の工事計画認可が下り10月30日着工の運びとなりました。
2年半に亘る建設工事は、1983年9月には導水路等の土木工事がほぼ完了、11月には水車発電機の据え付けが完了し、その後試験使用を経て、1984年4月27日、仙台通商産業局(現在の東北経済産業局)の使用前検査に合格、同日営業運転を開始しました。

大越発電所の特徴

大越発電所は、豊かな降雨融雪を集めた月山の急流を利用しています。月山の南方眼下を流れる最上川水系大越川と石跳川との合流点に高さ11mの取水えん堤を築造し、最大で6.5㎥/sを取水、延長2,096mの導水路トンネルで水槽に導きます。長さ203mの水圧管路により有効落差98mを得て、最大出力5,000kWを発電、大越川に放流する流込式発電所です。水車は年間発生電力量の増加をはかるため、軽負荷でも効率がよく経済性の高い横軸二輪単流渦巻両掛フランシス型を採用しています。