新下平発電所
SHINSHIMODAIRA PLANT
ひとつの源流で結ばれた
ハイブリッドな発電所

高落差222mを
6射ペルトン水車が
回す

同時開発された新下平と新小荒発電所

新下平発電所及び新小荒発電所は、東北電力(株)の下平発電所及び小荒発電所を廃止して再開発した水力発電所です。2つの発電所は、新潟県東蒲原郡阿賀町豊実に位置し、標高2,100m級の飯豊連峰を源とする一級河川阿賀野川水系実川の豊富な水資源を利用しています。阿賀野川水系実川は、古くから水力開発が行われ、東北電力(株)が継承、建設しこれまで4つの発電所が開発されてきました。最上流の実川発電所(1992年11月運転開始)、その約70年前には下平発電所(1926年1月同上)、赤倉発電所(1926年10月同上)及び小荒発電所(1923年4月同上)と、このうち、下平発電所及び小荒発電所は、運転開始以来70数年に及び設備の老朽化が進んだこと、また河川利用率も約58%程度と低い状況にあることから、1997年2月、既設設備の延命化と再開発との経済比較を行った結果、中小水力開発費補助金制度の活用によりコストダウンを図り、再開発によりコストパフォーマンスの高い発電が可能との判断を基に東北電力(株)から地点譲渡を受け建設に着手しました。1999年6月、阿賀町に新下平・新小荒発電所建設事務所を設置、同年8月30日、両発電所の工事に着工しました。その後、順調に工事は進み、新下平発電所は予定より1カ月早い2002年6月に運転を開始、新小荒発電所も予定より6か月早く2003年1月に発電を開始しました。

※ペルトン水車とデフレクタ/「ペルトン水車」は、ノズルから噴射する水を羽根(バケット)に当てて回転させる衝動水車で、高落差に適しています。ノズルの内部にニードル弁を備えており、それを前後に動かして水量を調節します。ノズルとバケットの間に「デフレクタ」があり負荷が急変したときには水がバケットに当たらない位置に移動し、その間にニードル弁を徐々に閉じて水車の回転速度の上昇と水圧管内の圧力上昇を防止します。

放流水がつながる新下平と新小荒発電所

新下平発電所は、既設下平取水堰堤から最大5.00㎥/s、上流の東北電力(株)実川発電所の放水路から最大6,00㎥/s、最大合計9,50㎥/sを取水し、導水路延長約5.0kmで有効落差221.50mを得て、最大出力17,700kWの発電を行っており、流水は放水路から下流の新小荒発電所導水路に直接放流しています。立軸6射ペルトン水車を採用し、デフレクター放流※により余水路を省略しています。2013年3月1日、FIT電源に認定されています。