新小滝発電所
SHIN KOTAKI PLANT
鳥海山の裾野、
海鳥が飛来する発電所

旧小滝発電所群の
集大成

発電所の歩み

新小滝発電所は、運転開始後70余年を経て老朽化が進んだ東北電力(株)の既設3発電所(小滝第二・小滝第三・小滝第四)を廃止統合して出力増強を計画した再開発事業によって生まれました。再開発に際し、最上流の小滝第一発電所は取水口直下に名勝「奈曽の白滝」があること、また滝の落差が有効に活用されており既設延命化が得策との判断から、小滝第二〜第四を再開発の対象としました。1990年、東北電力(株)から開発地点譲渡を受け1993年5月に着工しましたが、水圧管路が2km強と長く、放水路直下流に鮭孵化場があること、加えて導水路トンネルでは軟弱層・地山湧水などで工事は難航、当初計画から大幅に遅れ、営業運転が始まったのは1996年5月でした。運転開始から12年目に細密点検を行った結果、水車等の摩耗は著しく、調速機や制圧機用圧油装置は使用特殊部品の製造中止等により交換や修繕を十分に行えない状況でした。2013年度には、東日本大震災の影響で延期していた水車の摩耗修繕・調速機や圧油装置の改良工事を計画、同年7月には発電機の塩害の影響と思われる内部地絡故障が発生、9月に発電機の仮復旧を行い1月から本復旧に向け大規模工事を開始、加えて塩害対策工事、制圧機修繕工事等付帯工事を実施しました(2014年3月竣工)。

新小滝発電所の特徴

秋田県と山形県にまたがる鳥海山を源とし、西流して日本海に注ぐ二級河川奈曽川の豊富な水資源を利用して、最大毎秒5.00㎥/sを取水し、延長828.5mの導水路および延長2,128.2mの水圧管により導き、落差100.80mを得て最大出力4,100kWを発電しています。水圧管は強化プラスチック管(FRPM管・FRP管)を採用、コストの低減を図り、水圧管路も2km強と長いことから、発電負荷が急変した場合の水圧上昇を緩和するため制圧機を設置しています。また、河川維持流量の放流方法として魚道と兼用の設備を取水堰堤に備えています。